ビッグデータとデータサイエンスが欠かせない

スマート農業において、顕著な役割を果たしているのがAIによるサポートです。AIが実施する分析データに基づいて農業従事者が作業することにより、収穫までの作業をより効率的に行うことができます。スマート農業でAIが行う分析は、「ビッグデータ」と「データサイエンス」をベースにしているのが特徴です。

ビッグデータとは、さまざまな分野および形式の情報を集積した膨大なデータのことを指します。その中には、気象に関連するデータや化学肥料に関連したデータなども含まれるでしょう。一方のデータサイエンスとは、ビッグデータの中からさまざまなアルゴリズムに基づき、適切なデータを抽出する技術のことです。データサイエンスを構成する主な要素としては、統計学が挙げられるでしょう。端的に言えば、AIはデータサイエンスによってビッグデータから抽出された有効な情報に基づき、より効果的な方法を決定していく作業を行っています。

もちろん、膨大なビッグデータからスマート農業にとって効果的なデータだけを抽出するには、分析に際して適切なパラメータの設定を行わなければなりません。この点で大きな役割を果たしているのが、データサイエンティストと呼ばれるエンジニアです。データサイエンティストはAIをはじめとしたITに関する知識だけでなく、統計学やマーケティング戦略などに関しても豊富な情報を有しており、スマート農業を推進していくうえで不可欠な存在となっています。