スマート農業でIoTを使うメリット

農林水産省が推進し日本でも導入が進められている「スマート農業」とは、IT技術であるAIやロボット、リモートシステムなどを活用した新しい農業の形です。人材不足が深刻な農業において、スマート農業には農作業の効率化や負担の軽減、品質・生産力の向上による食料自給率アップが期待されています。

そんなスマート農業に活用される技術の一つが、IoTです。「IoT」とはInternet of Things、通称「モノのインターネット」と呼びます。インターネット経由で、通信センサーを持った機材を遠距離から動かす技術全般を指すものです。スマホで自宅のエアコンを操作して帰宅までに快適な空調と室温を整えたり、スマホと見守りカメラなどを繋いで遠距離からリアルタイムの状況を見たりできるのも、このIoT技術の一環と言えます。

スマート農業においてIoTを活用するメリットは、データ収集と蓄積・分析とデータに基づく制御です。畑やビニールハウスにIoT技術を搭載したセンサーを設置することで、従来では難しかった作物の成長状態や土壌の変化を24時間365日の計測し、収集できるようになりました。データの蓄積により、病虫害や生育異常のいち早い発見、品質向上につながる気温・湿度の把握が容易になります。また、病虫害リスクが最も低くなる生育環境を整えたり、農薬散布や施肥・灌水システムを遠隔制御したりすることがIoTの通信機器により可能です。