無人トラクターや農薬散布用ドローンが活躍

スマート農業において、IT技術を活用する分野は数多くあります。そうしたスマート農業の効果性を広く周知するきっかけとなったのは、ドローンと無人トラクターの2つでしょう。いずれのケースも、導入によるメリットがわかりやすい強みがあるのです。

ドローンを活用する大きなメリットは、搭載されているカメラを見ながらいろいろ作業できることと言えます。例えば農薬を散布する場合には、カメラで畑や田んぼの位置を確認しながら散布エリアを適宜調整できるのです。また、ドローンで撮影した写真データをAIと連携し分析することで、どのエリアで農作物がよく成長しているか、病虫害が発生していないか、収穫すべき時期を迎えているかといった点を短時間で正確に判断できます。農地が非常に広大なエリアでは、ドローンを導入するメリットが特に大きいでしょう。

そして、無人トラクターがもたらすメリットとしては、作業の大幅な効率化が挙げられます。事前に田んぼや畑のGPSデータを入力しておくと、AIが最適なルートを計算して畑を耕したり、稲を植えてくれたりするのです。方向転換などもすべて自動で行ってくれるので、逐一誰かが近くでチェックする必要はありません。むしろ、無人トラクターが作業している間、別のエリアをほかのトラクターや田植え機で作業できれば単純に作業効率は2倍になります。耕作エリアが広い一方で人材が少ない悩みを抱えていた農家にとって、これは大きな助けとなるでしょう。